今回ご紹介する漢方薬は「咳」に使う事の多い「麦門冬湯」です。
「麦門冬湯」は病院でも出される事が多いので、飲んだ事があるって方は多いのではないでしょうか?
東洋学的に分けると「咳」は「湿咳」と「乾咳」に分かれます。
咳の鑑別は、
・いつ酷いか?(季節や1日のうちの時間帯)
・痰が出るか出ないか?
・痰の色は?(黄色の濃痰や薄い鼻水のような痰)」
など状態を聞き、咳の音を聞いて判断しく事が多いです。
「麦門冬湯」は「乾咳」の漢方薬なので、どのように効いていくか説明していきますね~
「麦門冬湯」てどんな漢方薬?
「麦門冬湯」は
〇麦門冬(バクモンドウ)
〇粳米(コウベイ)
〇半夏(ハンゲ)
〇大棗(タイソウ)
〇甘草(カンゾウ)
〇人参(ニンジン)
の6種類からなる漢方薬になります。
「乾燥」を改善するために「滋潤作用」のある「麦門冬」・「粳米」・「人参」の3種類が中心の漢方薬です。
この「人参」の種類ですが「清熱・消炎作用」のある「竹節人参」と「体質改善・滋潤作用」のある「白人参」に分かれます。
その為、咳が酷い時には「竹節人参」、ある程度咳が治まり体質改善に飲んで頂く為には「白人参」を使う事が多いです。
「麦門冬湯」はどんな方の咳に使えるのか?
顔を赤くして急迫性の咳を「大逆上気」と言い、「麦門冬湯」が合う咳の特徴の1つです。(上焦の炎症が原因で気の上衝が起こる。)
痰の色は「黄色の濃い痰」の方が多く、夜寝る時~朝方に酷くなる咳に使いやすくなっています。
また妊娠中に出る咳「妊娠咳」にも「麦門冬湯」は効果が高いです。
妊娠中は身体の水分をおなかに集めようと身体が変化する為、他の場所の水分が不足して粘膜が乾燥してしまう事で咳が出ると言われています。
その乾燥している部分を潤すのが「麦門冬湯」です。
また「麦門冬湯」の「潤」の作用を利用して「糖尿病」に使う事も…(太陽堂ではまだ使ったことはないですが。)
「麦門冬湯」 まとめ
「麦門冬湯」についてご説明させて頂きました。
「滋潤作用」が強いので「乾燥」を改善して咳に効果が高くなっています。
「麦門冬湯」を使うべきかどうかの判断は「黄色の濃い痰」で「夜寝る時~朝方に酷くなる咳」です。
また「妊娠咳」にも使える優れものになっています。
今回ご紹介しました「咳」に関して疾患別にホームページでお話ししています。
ぜひ参考にされてみて下さい。
太陽堂ホームページ 「呼吸器疾患」
※症状や効果効能は個人差があります。同等の効果を保証するものではないので、ご了承ください。