今回ご紹介する漢方薬は「心臓」の疾患に使う事の多い「増損木防已湯」です。
休む事なく働き続けてくれている心臓。
心臓は血液を「全身に送り出すポンプの働き」をしています。
「狭心症」や「心筋梗塞」・「心臓弁膜症」など心臓の異常による病気は多いです。
多くの方が困っている「心臓弁膜症」に使う事が多い漢方薬が「増損木防已湯」になっています。
あまり有名な漢方薬ではないですが「木防已湯」は聞いた事があるかもしれません。
ただ「木防已湯」は漢方薬の作用が強すぎる為、作用を緩やかにしたのが「増損木防已湯」です。
前置きが長くなりましたが、心臓の負担を軽減してくれる「増損木防已湯」がどんな漢方薬か解説していきますね~
「増損木防已湯」てどんな漢方薬?
「増損木防已湯」は
〇防已(ボウイ)
〇石膏(セッコウ)
〇桂皮(ケイヒ)
〇人参(ニンジン)
の「木防已湯」に
〇紫蘇子(シソシ)
〇桑白皮(ソウハクヒ)
〇生姜(ショウキョウ)
の3種類を加えた7種類からなる漢方薬です。
まず「木防已湯」から説明させて頂きますね。
「木防已湯」は「心臓性」や「うっ血」による「水毒」や「熱証」を除く漢方薬です。
「水毒」と言われる病態ですが、この場合は水の滞り「水滞」とも言われ、水が滞る事で「呼吸困難」や「心臓性喘息」などの症状に繋がります。
心臓性喘息?と思われる方も多いと思いますが、「心臓」と「肺」はとても密接な関係にある臓器です。
実は「心臓」からくる咳で苦しまれている方も多いんですよ~
心臓の働きについてはホームページで詳しく書いているので興味のある方はご覧になって見て下さい。
太陽堂ホームページ 「太陽堂が考える心臓疾患」
話しが逸れましたので戻りましょう(笑)
中に入っている「防已」と「桂皮」が水毒を除き、「石膏」と「防已」が熱を沈める役割をしてくれます。
そこに「紫蘇子」・「桑白皮」・「生姜」を加え、虚証の方や慢性疾患にも使えるように調節したのが「増損木防已湯」です。
「紫蘇子」や「桑白皮」は「蘇子降気湯」や「五虎湯」などの「咳の漢方薬」にも入っている生薬になり、加える事で「利水」や「清熱」で呼吸を楽にする効果があります。
「水滞」と「熱証」を除き心臓の働きと呼吸を楽にするのが「木防已湯」・「増損木防已湯」です。
「増損木防已湯」に加えるべき生薬とは
太陽堂では「増損木防已湯」に生薬を組み合わせる事で効果を上げていきます。
先程からお話ししていますが「水滞」と「熱証」を除くのが「増損木防已湯」です。
生薬を加える時は「茯苓」などの「水毒」を除く効果の高い生薬で呼吸を楽にするか、「黄連」などの「清熱作用」のある生薬を加えて熱を取っていくかで効果は変わってきます。
この辺の微調整は漢方家の腕の見せ所ですね~
「増損木防已湯」 まとめ
「増損木防已湯」についてご説明させて頂きました。
「水滞」と「熱証」を除くのが「木防已湯」になり、その「木防已湯」を慢性疾患でも使いやすくしたのが「増損木防已湯」です。
心臓はストレスの影響を受けやすい臓器になります。(「心臓神経症」と言われる病気もあるくらい。)
ストレス社会の現代、ストレスを除いていく事も大事になってきますね。
※症状や効果効能は個人差があります。同等の効果を保証するものではないので、ご了承ください。