今回ご紹介する漢方薬は「冷え」に使う事の多い「当帰四逆加呉茱萸生姜湯」です。
冷えといっても全体的な冷えではなく、太陽堂では「手足の冷え」に使われる事の多い漢方薬になっています。
「手足の冷え」は「末梢動脈性血行障害」からくる冷えです。
「末梢動脈性血行障害」は「末梢動脈性疾患」の一つになり足の動脈が狭くなったり詰まったりして血液の流れが悪くなります。
「当帰四逆加呉茱萸生姜湯」は「四肢=手足」に使えるので、手でも同じような症状がおこる「四肢厥寒」です。
どの様な作用で冷えを治していくか「当帰四逆加呉茱萸生姜湯」の解説していきますね~
「当帰四逆加呉茱萸生姜湯」てどんな漢方薬?
「当帰四逆加呉茱萸生姜湯」は
〇当帰(トウキ)
〇桂皮(ケイヒ)
〇芍薬(シャクヤク)
〇細辛(サイシン)
〇呉茱萸(ゴシュユ)
〇生姜(ショウキョウ)
〇木通(モクツウ)
〇大棗(タイソウ)
〇甘草(カンゾウ)
の10種類からなる漢方薬になります。
元となる漢方薬は皆さんもご存知の「桂枝湯」(桂枝、芍薬、大棗、生姜、甘草)です。
「桂枝湯」に入っている「桂枝」や「生姜」には「温める作用」があり、「桂枝湯」に他の生薬を追加して「当帰四逆加呉茱萸生姜湯」になります。
まず「当帰」ですが、「温」の作用があり「桂枝」や「芍薬」と組み合わせる事で血行を促進します。
「木通」・「細辛」は利水作用ですが、「細辛」のみでも「温剤」です。
一番強く「温」に働くのが「呉茱萸」になり、他の温剤の生薬よりも効果が高い生薬になっています。
「当帰四逆加呉茱萸生姜湯」は他にどんな病気に使えるのか?
「温」の作用がある為、それを利用して「痛み」にも使えます。
鎮痛作用のある「木通」や「呉茱萸」・「芍薬」も入っているので、冷えからくる「腰痛」や「下腹部痛」・「頭痛」などにも使う事が可能です。
他にも「寒冷蕁麻疹(じんましん)」・「凍傷」など冷えからくる疾患には何でも使う事が可能な漢方薬になります。
「当帰四逆加呉茱萸生姜湯」 まとめ
「当帰四逆加呉茱萸生姜湯」についてご説明させて頂きました。
冷えに使う漢方薬という点から「冷え性」にしか使えないというイメージが強かったのではないでしょうか?
「当帰四逆加呉茱萸生姜湯」は「冷えが原因でおこる症状」には何でも使えます。
冷え込みが強いこの時期なので冷えを取る漢方薬「当帰四逆加呉茱萸生姜湯」説明させて頂きました。
※症状や効果効能は個人差があります。同等の効果を保証するものではないので、ご了承ください。